我々は、負熱イオン化質量分析法(NTI-MS)と全蒸発法および同位体希釈法を組み合わせて、原子力発電所廃液中の放射性³⁶Clの高感度かつ高精度な定量分析手法を開発しました。測定の正確性を確保するために、NIST標準試料を用いて全蒸発法により安定塩素同位体比(³⁵Cl/³⁷Cl)を測定し、同位体分別を最小限に抑えました。熱イオン化を促進するために、徹底的に脱ガス処理を施したレニウムフィラメントにバリウムをロードし、マルチコレクターNTI-MSで³⁵Cl、³⁶Cl、³⁷Clを同時に測定しました。本手法は、複雑な環境試料中のナノグラムレベルの同位体分析に適し、高い再現性で³⁶Clの安定した検出を実現しました。