主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
回次: 72
開催日: 2025/09/07 - 2025/09/19
p. 111-
太陽系の原材料物質の多様性を解明するためには,星周・星間ダストの生き残りを地球外試料に見出し,それらの同位体組成,鉱物学的・結晶学的特徴を明らかにするだけでなく,星間塵とはどのようなものでありうるかを実験的・観測的に調べることが重要である.古典的には星間ダストは星周ダストの生き残りと考えられてきたが,赤色巨星,漸近巨星分枝星,超新星爆発などの進化末期の巨星からのダスト供給のタイムスケールは,星間空間でのダスト破壊のタイムスケールに比べて一桁近く小さい.星間ダストのうち,星周ダストの生き残りはわずか10%で,それ以外の星間ダストは星間空間で再生成されると提案されてきた (e.g., Tielens 1998; Draine 2009).しかし,比較的高密度(n~30 cm-3, T = 100 K) な星間空間を模擬したダスト形成実験はほとんどなく,星間空間では水氷などの揮発性物質の凝縮により,珪酸塩形成は阻害される可能性も指摘されている. 本講演では,観測やプレソーラー粒子の分析から予想される星周ダストの性質と,近年我々が進めている高温での星周ダスト形成実験および低温・揮発性分子存在下での星間空間条件を模擬したダスト凝縮実験とを比較し,太陽系の原材料について議論をする.