コンドライト中の難揮発性包有物 (CAI) は,太陽系最古の物質であり,太陽系の初期進化を記録している.タイプB CAIメルトの蒸発-結晶化実験を行った先行研究では,水素ガス圧1 Pa程度以上で,メリライト (Ca2Al2SiO7-Ca2MgSi2O7) のマントル構造が形成されると示された.しかし,1 Pa程度の水素ガス中では,過度なMg, Siの蒸発に至る可能性があるほか,天然のタイプB CAIではまれなグロッサイト (CaAl4O7) の形成が確認されている.本研究ではメルト下部にエンスタタイト (MgSiO3) を配置し,Mg, Si含有ガスの存在下でCAIメルトの蒸発-結晶化実験を行った.その結果,Mg, Si含有ガスが,蒸発量の減少とグロッサイト形成の抑制に寄与することが確認された.