隕石中の鉄のスぺシエーション(化学種)および各相における価数状態は、始原天体の形成・進化における酸化還元環境を反映している。本研究では含水鉱物を含む炭素質コンドライト(CMタイプ, CRタイプ, およびTagish Lake隕石)および小惑星ベヌー回収試料を対象としてX線回折分析と放射光メスバウアー分光分析を行い、得られた結果を先行研究による小惑星リュウグウ回収試料やCIタイプ隕石などのデータと比較した。その結果、各隕石タイプごとに異なる鉄のスぺシエーションがを示すことがわかり、特に、サンプル中の金属鉄の量、硫化鉄の量、炭酸塩中の鉄の量、含水鉱物の価数などにバリエーションが見られることがわかった。このことから、隕石タイプごとに異なる酸化還元条件での形成・進化を経たことが示唆される。