主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
回次: 72
開催日: 2025/09/07 - 2025/09/19
p. 129-
大気を持たない天体の表層では、銀河宇宙線が引き起こす核破砕反応によって高エネルギー中性子が生成される。これらの中性子の大部分は、熱~熱外エネルギーまで減速された後周囲の原子核に捕獲され、特定の元素に同位体変動をもたらす。捕獲断面積の中性子エネルギー依存性は核種ごとに異なるため、複数元素の同位体変動を組合わせることで、試料が曝された中性子のエネルギースペクトルを解析できる。従来、惑星物質における中性子スペクトル解析は、熱中性子(<0.5 eV)指標元素によるものに限られていたが、近年の分析技術の進展により、熱外中性子(>0.5 eV)に感度を持つ元素も定量可能となり、解析対象となるエネルギー範囲が拡大してきている。本研究では、複数の指標元素の同位体データを統合可能な新しい中性子スペクトル解析手法を開発し、アポロ15号月面コア試料に適用することで、月面中性子スペクトルの深さ依存性を考察した。