日本地球化学会年会要旨集
2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
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G6 宇宙化学:ダストから惑星、生命へ
酸化還元敏感な元素の化学種解析によるRyugu母天体における水質変成過程の推定
*大野 智洋河合 敬宏竹本 亜優山口 瑛子菅 大暉上椙 昌之山下 翔平高橋 嘉夫
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p. 138-

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抄録

小惑星Ryugu母天体などのC型小惑星は, 二酸化炭素のスノーラインよりも内側に位置していた原始地球へ炭素質コンドライトとして有機物を供給した可能性のある天体である。一般的にこのようなC型小惑星は水質変成を受けたと考えられており, その水環境は合成される有機物の進化に大きな影響を与える。本研究ではRyugu中の微量元素のうちX線吸収端微細構造(XAFS)法でバナジウム(V), クロム(Cr), 鉄(Fe)の価数や化学種を大気遮断してXAFS法により決定し, 得られた価数情報が水質変成時のどのような水環境を反映しているかについて検討を行った。Ryugu試料のマトリクス中に局所的なCr(II)の濃集点が発見され, またバルクスケールでのV価数は3.0となった。先行研究で示された鉱物の形成順序を考慮すると, 特にCr(II)化学種は水質変成前期に於いてのみ金属鉄の存在によって水環境中で還元的な状態を保った可能性がある。

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