日本地球化学会年会要旨集
2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
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G8 地球深部から表層にわたる元素移動と地球の化学進化
延岡衝上断層周辺に分布する石英脈流体包有物の水の水素・酸素同位体分析による地震性分岐断層深部の水の起源と挙動の解明
*辰巳 寛二井尻 暁植村 立大坪 誠池原 実山口 飛鳥
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p. 181-

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抄録

地震と水は密接に関連しており,南海トラフではプレート境界地震発生帯に高間隙水圧帯が観測されている.本研究では,この間隙水圧の原因となった水の起源と移動経路を解明するため,南海トラフの陸上アナログとされる延岡衝上断層の周辺に分布する石英脈中の流体包有物中の水の水素・酸素同位体比,および石英の酸素同位体比を分析した.流体包有物の水の水素・酸素同位体比は,含水鉱物中の水と同様の傾向を示し,スラブやマグマ起源である可能性が示唆された.これは,高温高圧を経験した水がプレート境界層に沿って分岐断層帯まで移流し,地震発生によって形成された引張亀裂に石英沈殿に伴いトラップされたことを示す.石英と水の酸素同位体分別から見積もった平衡温度は,先行研究の均質化温度と同様の温度を示した.他の試料よりも水素同位体比が小さく酸素同位体比が大きい試料については,流体包有物の産状や薄片観察により,二次的な流体の混入の可能性が考えられた.

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