主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
回次: 72
開催日: 2025/09/07 - 2025/09/19
p. 197-
本研究では、マントル起源のカンラン岩に含まれる直方輝石中のAl拡散係数を高温高圧条件下で定量した。Alは拡散が非常に遅いため、鉱物中に残る濃度勾配はマントルの熱履歴を記録する。特に直方輝石は主要鉱物で広範な地質環境に分布し、Al拡散の記録媒体として有用である。従来の拡散係数は天然試料の逆解析に基づくが、温度・圧力履歴の仮定に依存し、不確実性が大きい。本研究では、ピストンシリンダー型高温高圧装置を用いて拡散実験を行い、組成勾配からAlの拡散係数を決定した。 その結果、Alの拡散係数は10⁻¹⁹〜10⁻²⁰ m²/sの範囲に収まることが明らかとなった。また、拡散境界の形状や同時に拡散した元素の分布から、Alは主にチェルマック反応に基づく置換拡散機構により移動したと解釈される。