主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
回次: 72
開催日: 2025/09/07 - 2025/09/19
p. 218-
近年、隕石試料からルテニウム(Ru)やモリブデン(Mo)の核合成起源同位体異常が報告されている。隕石のRu-Mo同位体二分性を研究する際には、試料からRuおよびMoを同時分離し、その同位体組成を高精度測定する必要がある。本研究では、化学処理法およびTIMSによる測定法を見直し、分析に必要な試料量の低減と、Ru・Moの同時回収を目指し、開発を行った。 開発では2つの鉄隕石試料を用いた。HClを用いて完全に溶解したこれら鉄隕石は、陽イオン交換樹脂を用いた第1カラムに流す酸濃度を先行研究から変更することで、RuとMoの同時回収を達成した。化学処理全体を通した2試料のRu回収率は40、60%であり、先行研究の20%から大きく向上した。 TIMSによるRu同位体測定では、フィラメントの材質と形状を工夫することで、1回の分析に用いるRuの量を1000 ngから100-200 ngに減らすことができた。酸素同位体比を用いた二次補正を行うと、標準物質の¹⁰⁰Ru/¹⁰¹Ru比の繰り返し再現性は3-10 ppm (2SD)まで向上した。最終的に得られた鉄隕石の¹⁰⁰Ru/¹⁰¹Ru比は先行研究と一致した。