東北日本弧の第四紀火山は, 4つの火山列に細分される(中川ほか, 1986).青麻―恐火山列は最も海溝側の火山列であり,他の火山列と比較してマントルウェッジにおける初生マグマの高い部分溶融度(e.g.,中川ほか, 1988)が指摘されているが,この火山列のマグマ成因に関する研究は限られている.本研究では,青麻―恐火山列に属し,比較的未分化な岩石を産出する恐山に着目した.恐山は約1.46 Maから現在まで活動を続ける活火山である.その活動は約1.46~0.7 Maの外輪山(朝比奈岳,大尽山,丸山,障子山,釜臥山,屏風山)の活動と,0.48〜0.08 Maの火山砕屑物の噴出とカルデラ北岸の溶岩ドーム群を形成する活動に大別される(小林・水上, 2012).丸山ほか (2023)は恐山全域のサンプリングと,全岩の主要元素とホウ素を含む微量元素の定量分析を行った.本研究では,さらに10試料のホウ素の定量分析を行うとともに,36試料に対し追加の微量元素の定量分析とSr,Nd同位体分析を行い,恐山のマグマ成因について考察を行った.