ガボン共和国東部のFranceville堆積層群に産するウラン鉱床であるオクロ鉱床は、約20億年前に235Uの核分裂連鎖反応の臨界を経験した天然原子炉の化石として知られている。オクロ天然原子炉試料の同位体化学データはその核反応過程の基礎情報の推定に利用されてきたが、16の原子炉領域(RZ)のうち後期に発見されたRZ 10-16については分析データが乏しい。なかでもRZ 13は、238Uの核分裂反応率が他のRZよりも著しく高いと推定されており、特異な中性子環境下で臨界に達したと示唆される。本研究では、最新の分析技術を用いてオクロ試料の高精度同位体化学データを取得し、その核反応過程の新たな知見を得ることを目指す。本発表では、オクロ研究全盛期の1990年代当時は測定困難だったHf同位体が提供する熱外中性子情報に基づく、RZ 13とRZ 16の詳細な中性子スペクトル解析について紹介する。