主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
回次: 72
開催日: 2025/09/07 - 2025/09/19
p. 27-
海底堆積物中のセリウム(Ce)異常は、Ceの特異な酸化還元挙動に基づき、海洋のレドックス状態を示す重要な指標です。従来、Ce(III)の酸化は主にマンガン酸化物によって進行するとされてきましたが、他鉱物の役割はほとんど検討されていませんでした。本研究では、天然モンモリロナイト(SWy-3)が人工海水中でCe(III)をCe(IV)に酸化できることを明らかにしました。50 mgのSWy-3と0.5 μMのCe(III)を用いた実験において、24時間以内に約30%のCe(III)が酸化され、XANESおよびEXAFS解析でCe(IV)種の生成が確認されました。一方、淡水ではこの反応は起こりませんでした。この結果は、従来レドックス不活性とされてきた粘土鉱物も特定条件下でCe酸化に関与し得ることを示しています。熱水やテクトニック活動により海洋に供給される粘土鉱物がCe異常の形成に寄与する可能性があり、古環境の解釈に影響を与えることが考えられます。