主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
回次: 72
開催日: 2025/09/07 - 2025/09/19
p. 262-
本研究では、モンゴル中央部のBoon Tsagaan湖(BTS湖)を対象に、唯一の流入河川であるBaidrag川の実測水質・流量データを初期条件とした蒸発濃縮地球化学モデルを構築した。このモデルでは、大気二酸化炭素開放系下で河川流入と同量の蒸発を繰り返し、溶存種の化学形態変化とMonohydrocalcite(MHC)、Amorphous Mg Carbonate(AMC)、Mg Silicate Hydrate(MSH)といった準安定炭酸塩鉱物生成を考慮したシミュレーションを実施した。その結果、BTS湖は既に約1000年分の蒸発濃縮過程を経た水質に相当し、蒸発開始から15年目にMHC飽和に達し、以降年間約3 000 tの炭素をMonohydrocalciteとして沈殿固定していることが明らかとなった。さらに、この手法は湖水および流入河川データのみで多様なアルカリ塩湖の炭酸塩沈殿量定の量的に推定可能性を示し、河川水にケイ酸塩鉱物を添加して実施するEnhanced Rock Weatheringの効果評価にも活用できる可能性が示唆される。