琉球列島の西側を北上する黒潮と東側を北上する琉球海流の連続的かつ長期的なデータは少なく、当該地域の海流変動の理解には様々なプロキシを用いる必要がある。本研究では、黒潮-琉球海流の長期変動を明らかにするため、沖永良部島のサンゴの骨格中のΔ14C、Sr/Ca比、δ18O、δ13Cを高時間解像度で分析した。沖永良部島のΔ14C時系列データには、核実験由来の急激かつ短期間(一年以内)のスパイクが確認され、より北に位置する喜界島よりもその到達が遅かったことから、黒潮反流を介した輸送を反映している可能性が示唆された。また、1961年から1963年には顕著なΔ14Cの低下も確認され、局所的な鉛直混合や海盆間スケールの変動の影響が考えられる。