主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
回次: 72
開催日: 2025/09/07 - 2025/09/19
p. 54-
放射性炭素(14C)は、1950~1960年代に行われた大気核実験によって人為起源の14Cが大量に対流圏に放出されたことで、海洋の表層循環における重要なトレーサーの一つとなっている。14C濃度変動の分析には、主に低緯度海域に生息するサンゴ骨格が用いられるため、高緯度海域での研究例は乏しい。このため、本研究では高緯度海域に生息するコンブを用いて道東海域における大気核実験前後の14C濃度の時系列変化の復元を試みた。試料には、1948~1997年に道東で採取されたコンブ標本資料を用いた。分析の結果、先行研究と同様の14C濃度の時系列変化がみられたため、コンブ中の14Cは海洋の表層循環のトレーサーとして有効であると考えられる。また、黒潮域での先行研究と比較して、最大値が低く、その後の減少も速かったことから、親潮の影響を強く反映していると考えられる。