日本地球化学会年会要旨集
2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
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G4 初期地球から現在までの生命圏の地球化学
アミノ酸水溶液の加熱乾燥による重合性の比較とホウ酸が与える影響
*髙橋 諒掛川 武古川 善博
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p. 66-

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抄録

ペプチドはアミノ酸の脱水縮合によって形成され、生命誕生に関与したと考えられる重要な分子である。本研究では、グリシンを除く19種類のアミノ酸を対象に、ホウ酸の有無およびpH条件が重合性に及ぼす影響を検証した。各アミノ酸水溶液を130℃で250時間加熱乾燥した後にLC-MSで分析した結果、pH 3とpH 6ではホウ酸の添加によって重合するアミノ酸種が増加し、二量体の収率も増加した。一方、pH 10ではホウ酸の有無による顕著な違いは見られなかった。これらの結果は、初期地球の乾燥環境において、ホウ酸存在下では酸性〜中性条件で、非存在下では塩基性条件で、多様なアミノ酸からペプチドが生成された可能性を示唆している。さらに、親水性側鎖をもつアミノ酸は重合しやすく、疎水性側鎖をもつアミノ酸は生成されにくい傾向が明らかとなった。親水性側鎖はRNAとの相互作用に寄与することから、初期地球でも類似した機構が発生していた可能性が示唆される。

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