金属材料は、自然界で形成されたものではなく、人工的に生産されたものであり、現代社会においては人類活動領域の至る所で使用されている。金属材料の腐食は、物理化学的な要因に基づいて寿命予測が可能であるが、微生物が関与することで金属材料の腐食が加速する現象は微生物腐食として知られ、材料の寿命予測を狂わせる。微生物腐食の分野では、古くから水素資化性硫酸塩還元細菌による鉄腐食モデルが提唱されていたが、近年様々な微生物が金属腐食に関与することが報告されている。本発表では、微生物腐食の最新知見の概要を紹介すると共に、演者の関わった実例について紹介する。淡水環境での金属腐食過程における微生物群集構造動態や深海環境におけるステンレス鋼腐食における微生物の電気化学的代謝の関与などについて紹介する。本研究は、現代の多様な環境における生物地球化学プロセスの理解に貢献すると期待する。