2021 年 32 巻 3 号 p. 79-88
火山地域においては断層変位地形が不明瞭であることが多いため,従来の航空写真判読や現地調査に変わる活構造の抽出手法の開発が課題になっている.本研究では,傾斜と累積流量を使ってSPI(ストリームパワー指数)分布図を作成し,平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震発生地周辺において活構造がどのように表現されるかについて検討を行った.SPI分布は傾斜量や起伏量ほど,平面的なエッジの抽出に適してはいないが,一つの河川系において活構造や差別侵食などに起因する遷急点を明瞭に表現することができることが明らかになった.