情報地質
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野外AE観測における地盤情報データベースシステムと利用
中田 文雄
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1992 年 3 巻 1 号 p. 15-29

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抄録
大谷石採取場跡地観測システムの目的は, 跡地周辺の岩盤が部分的に崩壊する時に発生する「野外AE」を観測し, 発生した位置の解析結果や発生頻度グラフなどから, 岩盤崩壊の最終段階である陥没を事前に予知することである.その目的を達成するために, 以下の特徴を持つ地盤情報データベースを構築した.
(1) 3次元情報を持つディジタル地図の採用により, 最も必要な部分だけの情報を選択 (検索) して, 様々な形で表現することができる.
(2) ベクトル地図情報の他に, グリッド地図情報の2種類を採用することで, 任意の地形断面図を描くことが容易になった.
(3) ディジタル地図情報は, 3次元立体図の作成が可能である.
(4) それぞれの地図には, 野外AE発生位置を重ね描きできるため, 岩盤崩壊の機構を考察する上で, 重要な情報を短時間に提供できるようになった.
(5) 運用するハードウエアはパソコンであるため, 全く同じシステムを低価格で複数構築することができる.従って, データを転送 (コピー) することにより, 色々な場所で全く同じ情報を共有でき, 専門家が分散したままデータを検討できる環境にある.
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© 日本情報地質学会
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