情報地質
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ボアホールを利用する地下情報計測の感度解析と比抵抗擬似断面情報に関する研究
菅野 強佐々 宏一山本 憲治井上 勝之荒井 英一
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1992 年 3 巻 1 号 p. 1-14

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抄録

地表からの電気探査による地殻内計測は, 色々な導電性や絶縁性の探査対象物を見つけ出し, 帯水層, 断層, 塊状鉱体, 水平や垂直構造および他の複雑な環境などの地質構造の性質を判断するのに, かなり活用されている.
しかしながら, 地表からの探査法は, 探査したい領域がかなり深かったり, 小さかったりすると, 局部的な対象物や導電性被覆層のある地域では十二分に活かされない.さらに, 地表からの方法の探査感度は, 地表浅層異常や局部ノイズ構造によって乱される.近年では, 計算機モデリングが現地での応用と密接に, かつ, 容易に実行されるようになっている.しかも, 三次元モデリングも地質問題をシミュレートするためにしばしば用いられるようになっている.もちろん, ボアホールを利用する地下情報計測の研究では, 計算機三次元モデリングは結果解釈やなどのために有効に用いらている.本論文は, まず, 新しい電気探査による地殻内計測とそのトレンドについて概説している.つぎに, ボーリング孔を利用する電気探査の例題が, 単一のボーリング, 一本のボーリング孔と地表や二本のボーリング孔を利用するポール・ポール法, ポール・ダイポール法やダイポール・ダイポール法に対する典型的な比抵抗擬似断面を示すために選ばれている.さらに, 探査対象物による地下情報の抽出・強調について二, 三の観点から三次元モデルを用いて議論されている.新しい地殻内計測の高精度化, そして高信頼化が目指されている.

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© 日本情報地質学会
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