抄録
国土地理院から刊行されている数値地図の精度に関する情報は, これまで十分公開されていない.しかし, ディジタル地図データを利用してGIS等による解析を行う場合, そのデータの精度を把握しておくことは, 意味のある解析を行う上で極めて重要である.本稿では, この数値地図について, その数値化過程から推定できる精度を考察する.この考察の結果, 数値地図25000 (海岸線・行政界) 及び数値地図10000 (総合) の精度は, 平均自乗誤差でそれぞれ地上18.5m及び7.4m以内, 数値地図50mメッシュ (標高) 及び250mメッシュ (標高) では, それぞれ7.2m及び約50m以内, 数値地図1kmメッシュ (標高及び平均標高) の場合は, 250mメッシュ (標高) データと同等ということが明らかとなった.