1995 年 6 巻 2 号 p. 65-72
コンピュータグラフィックスを砕石場の景観問題に応用し, 景観予測を行うシミュレーションの有効性を明らかにした.山麓の山肌, 切羽の緑化, 開発された切羽の表現についてはモンタージュ手法を応用し, 採掘計画にもとづく地形変化の予測にはワイヤーフレームを用いた.また, これらの手法を組み合わせて, ビデオから得られた二次元的な静止画を視点を変えて表現する手法を考えた.この手法によれば方位角で30度, 仰角では10度程度の視点の変化にまで対応した画像を作成することができる.視点を変えた現在の景観と将来予測される景観を静止画で表現し, さらに少しずつ視点を変えた画像を繰り返して描画することで, 砕石場前の道路を走行する車窓から予測される景観を動画で表現した.景観シミュレーションでは事前に景観の変化を把握でき, 基礎データとしてきわめて有効であることが明らかになった.