情報地質
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X線CTによる岩石内部構造の3次元観察: (1) CT値と物体密度の関係式の決定
中野 司中村 光一染谷 利明大塚 浩士
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キーワード: X線CT, FBP法, CT値, 物体密度, Edge補正
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1997 年 8 巻 4 号 p. 239-255

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抄録

X線CT (Computerized Tomography) 画像を用いた岩石内部構造の観察や解析の基礎となる画像再構成の原理と手法, および画素値として得られたCT値 (物体によるX線の線吸収係数) の密度検定における問題点を実例に即して説明・検討する.多種の岩石サンプルを撮像した3次元CT画像を高い透過能のX線を用いた産業用CTスキャナで得たX線強度データからFBP法 (フィルタ補正逆投影法) によって再構成した.この画像の空間解像度とサイズはそれぞれ0.2×0.2×1mmおよび1024×1024×320画素で, その各画素には再構成計算で得たCT値を16 bitsにデジタイズして格納した.密度が既知の20個以上の標準サンプルを画像処理によって識別し, それぞれに対して求めた平均CT値から画像上でのCT値と物体密度の関係式を決定した.その際, サンプルの縁辺領域に見られる低いCT値がサンプル全体の平均CT値に与える影響について考察し, それを補正 (edge補正) するための新しい手法を適用した.ここで求めた関係式によって画像上のCT値から物体密度を求めると0.3g/cm3程度の決定精度を持つことがわかった.

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