地質学雑誌
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論説
飛騨外縁帯九頭竜地域の剪断帯群概報
大藤 茂丹羽 正和束田 和弘青山 正嗣松本 孝之
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2004 年 110 巻 10 号 p. 598-607

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抄録
飛騨外縁帯の九頭竜地域を構成する地質単元の境界は, 大部分剪断帯であることが構造地質学的調査によって判明した. これらの剪断帯のうち, 少なくとも4条は, 右横ずれ成分をもつ脆性—延性剪断帯であり, 飛騨外縁帯南縁部を画する脆性剪断帯は, 左横ずれ成分をもつ. 右横ずれ剪断帯は, 前期ジュラ紀の花崗岩礫を有する本戸層に変形を与えるが, 前期白亜紀の手取層群に変形を与えない. 一方, 左横ずれ剪断帯は前期白亜紀の手取層群を切る. したがって, 右横ずれ剪断帯は前期ジュラ紀~前期白亜紀に活動し, 左横ずれ剪断帯は白亜紀に活動したと解釈した.
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© 2004 日本地質学会
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