地質学雑誌
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論説
北陸層群のテフロクロノロジー
—テフラ層序および広域テフラ層との対比に基づく北陸層群の堆積年代—
田村 糸子山崎 晴雄
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2004 年 110 巻 7 号 p. 417-436

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抄録

金沢から富山にかけて分布する鮮新—更新統, 北陸層群に挟在するテフラ層序を明らかにし, 30層のテフラ層を記載した. 本地域に分布する釣部1, 砂子谷1, 砂子谷2, 寺町, OL2a, MT2・Chk, O1, O2, O3, ptの各テフラ層は, その記載岩石学的特性から, Ya-4, 坂井・Ya-5, 小鈴谷 (4 Ma), 大田-ZnP (3.7 Ma), T2, 谷口 (2.2-2.3 Ma), 坂東2 (2.1 Ma), 恵比須峠-福田 (1.75 Ma), 大峰-SK110 (1.65 Ma), 上宝 (0.6 Ma) の各テフラ層に対比される. この対比から大桑層中部が鮮新—更新世境界層準であり, 大桑層の下限は2.3 Maより古くなることが明らかとなった. そして高窪層上部の堆積年代は3 Ma頃で, 従来考えられていた長時間に及ぶ無堆積状態は存在しないことが示された. また富山平野東部の呉羽山礫層の堆積年代から, 飛騨山地は, 後期鮮新世には隆起を開始していたことが明らかとなった.

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© 2004 日本地質学会
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