抄録
堆積サイクルとテフロクロノロジーに基づき,関東平野中央部地下のC~F層と仮区分されていた更新統が,それぞれ下総層群の清川層,上泉層,藪層,地蔵堂層に対比されることを明らかにした.それぞれの累層は,基本的に陸成層と海成層からなる1堆積サイクルとして認識され,累層境界はシーケンス境界に相当する.これら累層から房総半島の模式地の下総層群に挟在する複数のテフラを見いだした.本研究の対比に基づくと,下総層群の基底に相当する地蔵堂層の基底は,調査地域において標高-100~-140 mに位置すると推定され,従来解釈されていた基底深度よりも極めて浅いことが明らかとなった.