地質学雑誌
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論説
二次波峰に関する一実験:波浪伝搬方向の指標として
関口 智寛
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2005 年 111 巻 3 号 p. 182-186

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抄録
各谷部に1本または2本の二次波峰を持つウェーブリップルマークの形状について,二次元造波水路実験から検討した.その結果,二次波峰を持つリップルは,波が引き起こす振動流の非対称性を反映し,非対称な形状を示すことが明らかになった.二次波峰が1本の場合,二次波峰は谷部の岸側寄りに現れる.二次波峰が2本の場合には,沖傾斜斜面上の二次波峰とその岸側に位置する初期波峰との距離が,岸傾斜斜面上の二次波峰とその沖側に位置する初期波峰の距離に比べて大きく,また,前者の二次波峰は後者より高い位置に現れる.本研究の結果から,地層中の二次波峰を持つリップルから,過去の波の進行方向が推測できると考えられる.
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© 2005 日本地質学会
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