地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
Print ISSN : 0016-7630
論説
高山市北部の飛騨外縁帯に産する斑れい岩類の岩石学的特徴
河尻 清和
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 111 巻 6 号 p. 332-349

詳細
抄録

高山市北部に分布する飛騨外縁帯堆積岩類は小規模な斑れい岩類の岩脈によって広範囲にわたって貫入されている.斑れい岩類は普通角閃石斑れい岩と普通角閃石単斜輝石斑れい岩に分けられる.全岩化学組成がカルクアルカリ岩的な分化傾向を示す一方で,HFS元素濃度はMORBと同様に高く,MORB規格化パターンは背弧側島弧や背弧海盆のものに類似している.また,K2Oに富むショショナイト~高カリウムカルクアルカリ岩質の普通角閃石斑れい岩も産することから,普通角閃石斑れい岩は島弧の背弧側~背弧における火成活動で形成されたと推定される.一方,普通角閃石単斜輝石斑れい岩は,含まれる斜長石と単斜輝石の化学組成から,島弧玄武岩質マグマから形成された可能性がある.このような斑れい岩類の岩石学的特徴は,高山市北部の飛騨外縁帯がペルム紀末に島弧~縁海にわたる複雑なテクトニックセッティングにおけるマグマの活動域に位置していたことを示唆する.

著者関連情報
© 2005 日本地質学会
前の記事 次の記事
feedback
Top