地質学雑誌
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111 巻 , 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
論説
  • 小田原 啓, 工藤 茂雄, 井龍 康文, 佐藤 時幸
    2005 年 111 巻 6 号 p. 313-331
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/10/01
    ジャーナル フリー
    沖縄本島中部の読谷村には,主に第四紀更新世のサンゴ礁堆積物からなる琉球層群が広く分布する.同層群は先第三系の名護層と上部新生界の座喜味層を不整合関係で覆う.本地域の琉球層群は,伊良皆層と楚辺層よりなる.伊良皆層は伊良皆付近で掘削されたコア試料のみに認められ,溶解・浸食を受け赤色化したサンゴ石灰岩・砕屑性石灰岩および礫岩からなり,層厚は11 mを超える.伊良皆層は楚辺層に不整合関係で覆われる.楚辺層は5つのユニットの累重体であり,個々のユニットは低海水準期の浅海相であるサンゴ石灰岩から高海水準期の沖合相である石灰藻球・Cycloclypeus-Operculina・砕屑性石灰岩へと上方深海化する整合一連のシーケンスよりなる.本層の分布高度は80 mに及び,層厚は70 mに達する.楚辺層の年代は,石灰質ナンノ化石より0.41-0.85 Maである.層位学的位置および年代より,楚辺層は徳之島,沖永良部島,与論島,沖縄本島南部,宮古島の琉球層群主部の一部と対比される可能性がある.
  • 河尻 清和
    2005 年 111 巻 6 号 p. 332-349
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/10/01
    ジャーナル フリー
    高山市北部に分布する飛騨外縁帯堆積岩類は小規模な斑れい岩類の岩脈によって広範囲にわたって貫入されている.斑れい岩類は普通角閃石斑れい岩と普通角閃石単斜輝石斑れい岩に分けられる.全岩化学組成がカルクアルカリ岩的な分化傾向を示す一方で,HFS元素濃度はMORBと同様に高く,MORB規格化パターンは背弧側島弧や背弧海盆のものに類似している.また,K2Oに富むショショナイト~高カリウムカルクアルカリ岩質の普通角閃石斑れい岩も産することから,普通角閃石斑れい岩は島弧の背弧側~背弧における火成活動で形成されたと推定される.一方,普通角閃石単斜輝石斑れい岩は,含まれる斜長石と単斜輝石の化学組成から,島弧玄武岩質マグマから形成された可能性がある.このような斑れい岩類の岩石学的特徴は,高山市北部の飛騨外縁帯がペルム紀末に島弧~縁海にわたる複雑なテクトニックセッティングにおけるマグマの活動域に位置していたことを示唆する.
  • 小松原 純子, 鵜飼 宏明, 檀原 徹, 岩野 英樹, 吉岡 哲, 中嶋 健, 鹿野 和彦, 小笠原 憲四郎
    2005 年 111 巻 6 号 p. 350-360
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/10/01
    ジャーナル フリー
    九州北西部に分布する下部~中部中新統の野島層群に挟在する火山砕屑物と凝灰岩質砂岩層について,ジルコンのフィッション・トラック年代測定を行った.野島層群は下位より大屋層,深月層,南田平層からなる.大屋層から2試料,深月層基底部の小島崎凝灰角礫岩層から2試料,深月層下部から2試料,南田平層から1試料を採取し,年代測定に用いた.測定は外部ディテクター法を採用し,試料ごとにジルコンの外部面を測定するED2法と内部研磨面を測定するED1法を用いた.大屋層の試料からは17.5±1.4 Maおよび17.7±0.9 Ma,南田平層の試料からは15.3±0.5 Ma(1σ)の年代値が得られた.南田平層からは門ノ沢動物群に相当する貝化石が発見された.現在の層厚とFT年代・化石年代から計算した堆積盆の沈降速度は最低でも500 m/m.y.以上となり,非常に沈降速度の速いリフト堆積盆であったと考えられる.この結果は前期~中期中新世の日本海拡大期に,現在の北西九州が伸張場であったとする見解を支持する.
  • 坂 幸恭, 猿渡 ふみよ, 鈴木 和博
    2005 年 111 巻 6 号 p. 361-368
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/10/01
    ジャーナル フリー
    関東山地秩父帯,名栗断層帯の南端部,坂本地域に露出するざくろ石花崗岩のジルコンのCHIME年代を測定した.測定結果は432±40 Maで,これはジルコンの結晶年代であり,本花崗岩の形成年代とみなされる.この年代は西南日本各地の黒瀬川帯の花崗質岩から得られている各種放射年代(378-447 Ma)と調和的であることから,本花崗岩は黒瀬川帯の構成岩石と判断される.これによって,その構造的位置,岩石の産出様式・岩石学的特徴・岩石化学的性質から名栗断層帯を黒瀬川帯の東方延長とみなす見解が確定した.
口絵
エラータ
  • 小田原 啓, 井龍 康文, 松田 博貴, 佐藤 時幸, 千代延 俊, 佐久間 大樹
    2005 年 111 巻 6 号 p. 369-
    発行日: 2005/06/15
    公開日: 2014/02/07
    ジャーナル フリー
    お詫びと訂正
    地質学雑誌111巻4号掲載の小田原ほか論文(p.224-233),Fig. 1 キャプション(p.225)において,校正段階での著者校正指示が,修正されないまま掲載されてしまいました.ここに訂正し,お詫び申し上げます.
    (誤)Fig. 1. Location map of the study area(after 1:25,000 scale topographic maps, “kyan-misaki” and “Itoman” published by the Geographical Survey Institute, Ministry of Land, Infrastructure, and Transport, Japan).
    (正)Fig. 1. Location map of the study area(after 1:25,000 scale topographic maps, “Kyan-misaki” and “Itoman”, published by the Geographical Survey Institute, Ministry of Land, Infrastructure, and Transport, Japan).
    (地質学雑誌編集委員会)
  • 川端 訓代, 塚田 基治, 田中 秀実
    2005 年 111 巻 6 号 p. 369-
    発行日: 2005/06/15
    公開日: 2014/02/07
    ジャーナル フリー
    お詫びと訂正
    地質学雑誌111巻5号掲載のKawabata et al.英文口絵(XII)のなかで,著者名および著者所属名に和文が挿入されてしまいました.これは著者がレイアウトした原稿中にあったものが,編集の過程で見逃され生き残ってしまったためです.同様の誤りは過去にもありました.この誤りについてお詫びするとともに,英文口絵では,和文の著者名,所属等は掲載しないことをご承知願います.また,この口絵の本文が英文にもかかわらず,タイトル左上の雑誌名が和文になっています.従来からもこのような表記をしてきたようですが,これでは和文を解さない第三者に別刷りを渡しても出版物を特定できません.この部分については,今後英文表記に変更する予定です.
    (地質学雑誌編集委員会)
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