地質学雑誌
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総説
本州弧に分布する白亜紀~古第三紀花崗岩の活動と起源物質
加々美 寛雄
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2005 年 111 巻 8 号 p. 441-457

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抄録

Rb-Sr全岩アイソクロン法は花崗岩類の主要な年代測定法の1つである.データの解析結果から,Sr同位体の均一化は花崗岩体全域で起こらず,岩体の形と調和的に数km2内で起こる.この点に基づいて試料採取すれば,花崗岩マグマの定置を示す信頼おける全岩年代が得られる.全岩による年代値から,本州弧の白亜紀~古第三紀花崗岩マグマの活動の場の変遷を明らかにした.これらの花崗岩類はSr,Nd,酸素同位体的特徴から北帯,南帯,北上帯,佐渡帯に分けられた.各帯に属する花崗岩類は,同位体的に異なった下部地殻-上部マントルからそれぞれ形成された.枯渇したマントルを用いたNdモデル年代が,棚倉構造線以西の本州弧に分布する古・中生層から求められた.この研究の目的は,花崗岩類から予想される下部地殻-上部マントルのSr,Nd,酸素の同位体的な地域差が,上部地殻でも見られるかどうか検討することにある.

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© 2005 日本地質学会
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