地質学雑誌
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論説
中部日本,八ヶ岳地域の火山活動期の再検討
西来 邦章松本 哲一宇都 浩三高橋 康三宅 康幸
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2007 年 113 巻 5 号 p. 193-211

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抄録

八ヶ岳地域の火山活動時期を層序学的・年代学的・古地磁気学的手法を用いて再検討した.その結果,八ヶ岳地域の火山活動は,北八ヶ岳地域では約1.2~0.8 Maと約0.5 Ma以降,南八ヶ岳地域では約0.5~0.1 Maであることが明らかになった.0.8 Ma以前の火山活動は,北八ヶ岳地域のみでみられることから,この時期の火山活動で生じた火山を八柱火山群と新たに定義する.そして,0.5 Ma以降の南・北八ヶ岳の両地域の火山活動で生じた火山を八ヶ岳火山群と再定義する.八柱火山群には,噴出中心が4ヶ所以上存在する.それらはNW-SE方向に配列し,八ヶ岳火山群のN-S方向の配列とは異なる.八柱火山群の西方には,霧ヶ峰・和田峠火山岩類など同じ時期の噴出物が分布しており,前期更新世の八ヶ岳中信高原地域では東西に広がった火山活動があったと考えられる.

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© 2007 日本地質学会
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