日本経営工学会論文誌
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原著論文(理論・技術)
改良型k-planesクラスター分析法と解析結果の視覚化について
黒木 学山下 遥
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2017 年 68 巻 1 号 p. 1-12

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抄録

本論文では, p次元多変量データがqj次元線形構造を有するk個のクラスターによって特徴づけられるとき (0 ≤ qjp - 1; j = 1, ..., k), このデータを解析するクラスター分析法として, 改良型k-planes法を提案する. 改良型k-planes法は, 多変量データを0次元線形構造を有するk個のクラスターによって特徴づける場合にはk-means法と一致し, 共通のq次元線形構造を有するk個のクラスターによって特徴づける場合にはBezdek et al. (1981a, 1981b), Bradley and Mangasarian (2000), 黒木他 (2004) によって提案されたk-planes法と一致する (0 ≤ qp - 1). また, 改良型k-planes法は, いくつかのクラスターに対して共通の線形構造を導入することができるという点で, Bezdek et al. (1981a, 1981b), Bradley and Mangasarian (2000), 黒木他 (2004) よりも柔軟なクラスター分析法となっている. 加えて, 解析結果を視覚的に表現するために, (1) k個のクラスターのそれぞれを特徴づけるqj次元線形構造を含むk個のq次元超平面を構成し (q = max{qj |j = 1, ..., k}), (2) これらすべてと可能な限り“直交”するp - q次元超平面を求め, (3) この超平面へ個体布置を行う, といった手続きを提案する. 最後に, 数値実験と適用例をとおして, k-means法, k-planes法, 改良型k-planes法の性能を比較し, 改良型k-planes法の有用性を示す.

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© 2017 公益社団法人 日本経営工学会
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