2008 年 114 巻 Supplement 号 p. S75-S85
出羽丘陵は,東北日本が強い東西圧縮応力場におかれた鮮新世前期から逆断層や褶曲構造を形成しながら隆起を開始し,更新世中期にかけて全域が陸化したと考えられている.この隆起運動に関連した変形構造は,出羽丘陵成立過程の構造運動の実態を明らかにするために重要なデータとなるだけでなく,脆性領域の変形機構や変形様式を理解するための格好の素材を提供している.この見学旅行では,出羽丘陵西縁部に存在する北由利衝上断層群および中央部に位置する鳥田目断層群に伴われる変形構造を観察し,その運動像や変形条件について考察する.