2016 年 30 巻 5 号 p. 836-841
胆管ステント留置直後にドレナージされる胆汁を内視鏡吸引を用いて簡便に検体回収する胆汁細胞診を考案し,その有用性を検討した.対象は2015年3月から2015年12月に当院で悪性胆道狭窄と診断し胆管ステント留置を行った19症例である.胆管ステント留置直後に流出する胆汁を気管吸引キットを使って内視鏡吸引で回収した.内視鏡吸引での検体採取量は11.9±9.5mlで,細胞診診断として評価できる検体は95%(18/19例)で得られた.癌陽性率(感度)は79%(15/19例),95%信頼区間は0.54-0.94であった.吸引胆汁採取に伴う偶発症は認めなかった.胆管ステント留置後の内視鏡吸引細胞診は,採取簡便で診断感度の高い病理診断法である.