地質学雑誌
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論説
秋吉地域の常森層産ペルム紀腕足類:
秋吉テレーンの付加した場所に関する化石証拠
田沢 純一藤川 将之太田 泰弘
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2009 年 115 巻 4 号 p. 168-176

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抄録

秋吉地域の常森層上部(Changhsingian)の含礫頁岩から産出する腕足類フォーナは15属15種からなる.この常森フォーナは,ボレアル型-テチス型混合フォーナで,Lamnimargus-Megousia-Eolyttonia群集によって特徴づけられ,南部北上帯の鍋越山フォーナや舞鶴帯の河東フォーナに比較される.常森フォーナの古生物地理学的検討により,中~後期ペルム紀(Capitanian~Changhsingian)に,常森層が付加した場所は北中国(中朝地塊)東縁の海溝ないし海溝陸側斜面で,しかも南部北上・舞鶴両地域に地理的に近い位置にあったと考えられる.

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© 2009 日本地質学会
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