新潟県中央部の阿賀町津川,加茂市七谷地域および魚沼市守門の上部中新統において,広域的に対比できる可能性のあるテフラ層を見出した.津川地域の野村層に挟まるOtbtテフラ層,七谷地域の南五百川層に挟在するDtbtテフラ層,そして守門地域の貫木層中のIsbtテフラ層は,記載岩石学的特徴や火山ガラスの化学組成から対比される.これらのテフラ層はいずれも白色のガラス質のテフラ層で,火山ガラスの主成分化学組成において,MgOが0.00-0.01 wt.%,CaOが0.22-0.46 wt.%と極めて低い値を示すことを特徴とする.これらのテフラ層は,いずれも珪藻化石帯のNPD 5D帯最下部の生層準D56とD57の間の狭い年代範囲の中に落ち,その年代は9.9 Maと算定される.