地質学雑誌
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特集 モデル実験で探る地形地層形成過程のダイナミクス
粗い斜面上の粉体流における密度およびサイズの異なる粒子の分離
三谷 典子マトゥティス ハンス―ゲオルグ門野 敏彦
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2011 年 117 巻 3 号 p. 116-121

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抄録

火砕流堆積物の主な特徴は,鉛直方向に密度やサイズによる様々な分離が見られることである.これらの特徴を生じるメカニズムを理解するために,我々は表面が粗い斜面上を流れ,密度やサイズの異なる異物を含む粉粒体を数値的に調べた.数値計算結果は,異物粒子は密度に応じてマトリックス粒子中を上昇あるいは下降することを示した.これらの密度およびサイズによる分離は,異物粒子が流動化した粉粒体から受ける浮力および粘性抵抗に支配されていることを示している.さらに計算結果は,流れの中心部では異物粒子に働く粉粒体の抵抗は液体の粘性抵抗の法則に従うことを示唆している.

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© 2011 日本地質学会
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