地質学雑誌
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論説
関東平野中央部埼玉県大利根町で掘削された1505 m温泉ボーリングの年代層序
納谷 友規平松 力古澤 明柳沢 幸夫山口 和雄
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2013 年 119 巻 5 号 p. 375-395

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抄録

埼玉県加須市大利根町で掘削された1505 mの温泉井の地質年代を,テフラ層序,石灰質ナンノ化石層序,珪藻化石層序に基づいて明らかにし,関東平野縁辺部に露出する新第三系および第四系との対比を行った.最下部の岩相ユニットA(深度1434–1505 m)は,中部中新統の比企層群に,岩相ユニットB~E(深度773–1434 m)は中~上部中新統の都幾川層群にそれぞれ対比される.また,最上部の岩相ユニットF(深度0–773 m)は上部鮮新統~更新統の上総層群・下総層群に対比される.岩相と年代層序基づくと,岩相ユニットAとB境界は庭谷不整合,岩相ユニットEとF境界は黒滝不整合に相当する不整合である可能性がある.反射法深度断面(Kazo1, Shobu1測線)との対応を検討した結果,上総層群相当層基底の深度は菖蒲町付近で最も大きく,深度1000 m程度となることが分かった.

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© 2013 日本地質学会
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