地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
Print ISSN : 0016-7630
ISSN-L : 0016-7630
日本地質学会第120年学術大会(2013年・仙台)
オルドビス紀-デボン紀島弧系の復元と発達過程:岩手県早池峰宮守オフィオライトと母体高圧変成岩類
小澤 一仁前川 寛和石渡 明
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 119 巻 Supplement 号 p. S134-S153

詳細
抄録

南部北上山地は,シルル紀の酸性火山岩類を含む地層が分布し,シルル紀前期の花崗岩も確認されており,大陸性の地殻がシルル紀-デボン紀に存在していたと考えられる古い地塊である.この地塊の北縁と西縁には,オルドビス紀の島弧オフィオライト(早池峰(はやちね)・宮守(みやもり)オフィオライト)とオルドビス紀~デボン紀の間に形成された高圧変成岩類(母体(もたい)変成岩類)が分布し,これらは,オルドビス紀以降のおよそ数千万年で成熟した島弧地殻へと進化していった沈み込み帯の発達過程を記録している.本見学旅行では,早池峰・宮守オフィオライトのマントルセクションとほぼ同時~1億年後の沈み込み帯である母体変成岩を対象として,これまでの地質学・岩石学・地球化学的研究に基づいてオルドビス紀の島弧を復元し,当時の島弧マントルの進化過程について議論したい.

著者関連情報
© 2013 日本地質学会
前の記事 次の記事
feedback
Top