地質学雑誌
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論説
富山-岐阜県境に分布する神通層群の堆積環境と堆積盆地の発達
松川 正樹福井 真木子小河 佑太力田子 豪小荒井 千人林 慶一
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2014 年 120 巻 6 号 p. 201-217

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抄録

岐阜-富山県県境に分布する神通層群は,9つの岩相に区分され,それらの複数の組み合わせから,岩相群として5つにまとめられ,さらにそれらの特徴や分布に基づき堆積環境が考察された.庵谷峠層は堆積盆地の周縁部に発達した扇状地の,猪谷層は河川流路と氾濫原の,白岩川層は氾濫原の堆積物と解釈される.神通層群の上方細粒化と周辺から中央への側方細粒化は堆積盆地の沈降速度の増加に基づくものと推定される.神通層群各層の分布様式から堆積盆地の中心は南の有峰地区から北の常願寺川地区に移動したことが示される.これは,オーテリビアン期のアジア大陸の東縁におけるジュラ紀~初期白亜紀の付加体の並列配置と関連した可能性がある.

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© 2014 日本地質学会
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