地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
Print ISSN : 0016-7630
ISSN-L : 0016-7630
120 巻, 6 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
総説
  • 黒田 潤一郎, 吉村 寿紘, 川幡 穂高, Francisco J. Jimenez-Espejo, Stefano Lugli, Vini ...
    2014 年120 巻6 号 p. 181-200
    発行日: 2014/06/15
    公開日: 2014/11/12
    ジャーナル フリー
    地中海は中新世の末期(5.97~5.33 Ma)に膨大な量の蒸発岩が形成されるイベントを経験した.これはメッシニアン期塩分危機と呼ばれる.これらの蒸発岩は十分に塩水が存在する状況で析出したのか,深海盆までが干上がったのか,未だ議論に決着がついていない.本論では,1)シチリア島の天日塩田で見られる蒸発鉱物(石膏・岩塩)の形成プロセスとその堆積構造と形成環境の関連を紹介し,2)シチリア島のメッシニアン期蒸発岩で提唱された塩分危機のシナリオを解説する.シチリア島のメッシニアン期蒸発岩類は浅海堆積相で晶出した初生的下部石膏ユニット,深海盆でこれが再堆積した砕屑性下部石膏ユニット,深海堆積相の厚い岩塩層,深海堆積相でこれらを覆う上部石膏ユニットに大別される.これらの蒸発岩類は5.33 Maに突如終焉し,広く鮮新世の半遠洋性石灰質堆積物に覆われる.
論説
  • 松川 正樹, 福井 真木子, 小河 佑太力, 田子 豪, 小荒井 千人, 林 慶一
    2014 年120 巻6 号 p. 201-217
    発行日: 2014/06/15
    公開日: 2014/11/12
    ジャーナル フリー
    岐阜-富山県県境に分布する神通層群は,9つの岩相に区分され,それらの複数の組み合わせから,岩相群として5つにまとめられ,さらにそれらの特徴や分布に基づき堆積環境が考察された.庵谷峠層は堆積盆地の周縁部に発達した扇状地の,猪谷層は河川流路と氾濫原の,白岩川層は氾濫原の堆積物と解釈される.神通層群の上方細粒化と周辺から中央への側方細粒化は堆積盆地の沈降速度の増加に基づくものと推定される.神通層群各層の分布様式から堆積盆地の中心は南の有峰地区から北の常願寺川地区に移動したことが示される.これは,オーテリビアン期のアジア大陸の東縁におけるジュラ紀~初期白亜紀の付加体の並列配置と関連した可能性がある.
エラータ
feedback
Top