地質学雑誌
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論説
栃木県北部,福島県南部に分布する中期更新世火砕流堆積物群の層序
山田 眞嵩河合 貴之西澤 文勝鈴木 毅彦
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電子付録

2018 年 124 巻 10 号 p. 837-855

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抄録

本研究では火砕流堆積物を3枚記載し,上位からSo-OT,So-TN,So-KTとした.So-OTは上位の火砕流堆積物と下位の降下軽石堆積物とに大別される.3枚の火砕流堆積物は火山ガラスの主成分化学組成などにより明確に区別できる.また,So-OTの降下テフラを6地点で確認し,陸域での観察地点の北端は福島市南部である.火砕流堆積物群と他のテフラとの関係は,上位よりSo-OT,So-TN,A4Pm,So-KT,A2PmまたはA1Pmとなり,BT72がSo-TNの下位に位置する.これらのことからSo-OTおよびSo-TNの噴出年代は300~337ka,So-KTの噴出年代は337~410kaと推定される.So-OT,So-TN,So-KTの給源は,各火砕流堆積物が含む本質物の粒径や降下火砕物の粒径・層厚変化などから塩原カルデラであると考えられる.

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© 2018 日本地質学会
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