地質学雑誌
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論説
北部九州,白亜紀香春花崗閃緑岩牛斬山岩体(牛斬山花崗閃緑岩)のマグマ過程と成因
江島 圭祐大和田 正明今岡 照喜亀井 淳志
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2019 年 125 巻 3 号 p. 237-253

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抄録

香春花崗閃緑岩牛斬山岩体(牛斬山花崗閃緑岩)は福岡県田川市に分布し,北部九州バソリスの一部を形成する.牛斬山花崗閃緑岩は岩体中央部の細粒相を境に南部・北部岩体に区分され,岩体内には斑状細粒花崗岩,斑状細粒トーナル岩および斑状細粒閃緑岩が小規模岩脈として貫入する.本研究では,牛斬山花崗閃緑岩と小規模岩脈類の成因関係を検討した.斑状細粒花崗岩は南部岩体の斜長石・角閃石および黒雲母が取り去られる分別結晶作用により形成可能である.一方,斑状細粒トーナル岩は南部岩体と斑状細粒閃緑岩の混合・または斑状細粒閃緑岩が同化作用を受けることにより形成したと推察される.斑状細粒閃緑岩はSanukitic HMA組成に類似した組成であり,北部九州に点在する高Mg安山岩組成の岩石と類似した組成を示す.よって,牛斬山花崗閃緑岩と岩脈類は混合,分化および同化作用の様々なマグマ過程へて形成したと推察される.

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© 2019 日本地質学会
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