地質学雑誌
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論説
プレート収れん速度の法則(Otsuki, 1989)の更新
大槻 憲四郎
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2021 年 127 巻 9 号 p. 527-544

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抄録

Otsuki(1989)による「プレート収れん速度の法則」を新たなプレート運動モデル,震波トモグラフィー,古地震学・地質学,GPS測地学などのデータに基づいて更新した.全28の沈み込み帯からスラブ先端深度が200 km以下と異常なテクトニック状況下にあるそれぞれ4つの沈み込み帯を除外して残った20の沈み込み帯は,Va=(Vo//aVs//a)-69とVt//a=69-Vs//aという単純な式に従う(単位は全てmm/yで,決定係数R2はともに0.91以上).ここで,Vaは上盤プレートの変形速度(短縮が正),Vs//aVo//aはそれぞれ下盤プレートと上盤プレートのVaに平行な速度成分(海溝に向かう方向が正),Vt//aは海溝軸の移動速度のVaに平行な成分(海側に向かう方向が正)である.これによって,「プレート収れん速度の法則」がよりしっかりと成立していることが確認された.

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© 2021 日本地質学会
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