地質学雑誌
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飛騨外縁帯の中部ぺルム系から産出した腕足類RhynchoporaとBlasispirifer, およびそれらの古生物地理学的重要性.
グアン R.シイ田沢 純一
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2001 年 107 巻 12 号 p. 755-761

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抄録

飛騨外縁帯森部地域の森部層下部(中部ペルム系)から, これまで飛騨外縁帯からは未報告の腕足類RhynchoporaとBlasispiriferが発見された.これら2属はボレアル型ないし非熱帯型(antitropical type)の腕足類である.また, このたび森部層から産出し, Rhynchopora sp., Blasispirifer cf. reedi (Licharew)と同定された種は, ロシア極東プリモリエ西部(ボツネセンカ帯)の中部ペルム系Barabash Formationから記載されている種によく似ている.飛騨外縁帯の中部ペルム系からプリモリエ西部のものに類似するRhynchoporaとBlasispiriferが産出することは, 中期ペルム紀に飛騨外緑帯とプリモリエ西部(ボツネセンカ帯)が互いに近接し, 両者が北半球中緯度におけるブレヤ地塊の南東, 中朝地塊の北東付近に位置したことを示す1つの証拠となる.

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