地質学雑誌
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北海道築別地域の白亜系層序
守屋 和佳平野 弘道
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2001 年 107 巻 3 号 p. 199-214

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抄録

北海道北西部築別地域に分布する白亜系は, 下位より上部蝦夷層群中部羽幌川層, 上部羽幌川層および函淵層群パンケ沢層からなる.中部羽幌川層は砂岩薄層を頻繁に挟む泥岩からなり, 上部羽幌川層は"羽幌型サイクル"と呼ばれる上方粗粒化サイクルにより特徴づけられる.上部羽幌川層はUh部層を除きおおむね泥岩および砂質泥岩からなるのに対し, パンケ沢層は主に砂岩からなり, 両者は岩相上明瞭に異なる.パンケ沢層最上部には厚い凝灰岩が発達する.本論では函淵層群パンケ沢層を再定義するとともに, 函淵層群が上部蝦夷層群を微傾斜不整合で覆うことを示した.アンモナイト類やイノセラムス類の生層序に基づき, 中部羽幌川層および上部羽幌川層下部はサントニアン階に, 上部羽幌川層上部はカンパニアン階下部に対比される.パンケ沢層からは今回時代決定に有効な化石は得られなかったが, 少なくともカンパニアン階上部以上に対比されよう.

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