2001 年 107 巻 3 号 p. 215-221
大阪平野西部, 上町断層系住之江撓曲の過去13万年間の活動履歴を評価するために, S波反射法地震探査を実施し, それを既存の住之江コアと対比した.その結果, 以下の2項目が明確となった.(1)住之江撓曲の最新活動は約14,000 yBP以前, 平均垂直変位速度は約0.2 m/ky以上と評価される.(2)沖積層堆積時に撓曲の活動が認められないことから, 住之江地域(標高-19 m)においては8,500 yBP頃海進が始まり, 縄文海進ピークの6,000 yBP頃まで急激に海水準が上昇したことが明らかとなった.