地質学雑誌
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古地磁気から推定される奥羽脊梁山地東縁における回転運動
星 博幸
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2002 年 108 巻 8 号 p. 510-519

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抄録
奥羽脊梁山地の東縁部から採取された火砕岩試料は,鉛直軸回転運動を示唆する残留磁化方位を持つ.段階熱消磁結果の解析から,下部中新統水分層の5地点の高温成分磁化方位が決定された.ある露頭から採取された1地点の高温成分方位は逆帯磁でほぼ東向きであるが,そこから数km離れた本層模式地の4地点は同じ逆帯磁だが南西向きの方位で特徴づけられる.これらの方位を前期中新世の参照方位と比較すると,模式地において22Ma以降に100°を超える時計まわり回転が起こったと考えられる.調査したすべての地点は,奥羽脊梁山地東縁の断層の多い地帯にあり,回転運動が東縁に沿う断層運動に関連して起こったことが推定される.
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© 日本地質学会
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