地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
Print ISSN : 0016-7630
ISSN-L : 0016-7630
千葉県銚子地域に分布する中新統の年代層序
高橋 雅紀須藤 斎大木 淳一柳沢 幸夫
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 109 巻 6 号 p. 345-360

詳細
抄録
関東平野東端の銚子地域に分布する中新統について,既報の資料および新たに得られた珪藻化石・K-Ar年代および古地磁気極性をもとに年代層序を総括し,従来の夫婦ヶ鼻層を夫婦ヶ鼻層(再定義)および千人塚層(新称)として二分した.夫婦ヶ鼻層の海成シルト岩は,産出した珪藻化石により,Crucidenticula kanayae帯(NPD3A)下部の,珪藻生層準D30(16.9Ma)とD33(16.5Ma)の間に位置づけられる.一方,千人塚層の凝灰質砂岩に挟在する古銅輝石安山岩溶岩について20.3±0.5MaのK-Ar年代を得た.また,同安山岩溶岩の古地磁気極性は正帯磁であることから,千人塚層の安山岩溶岩はChron C6A付近の正磁極節に対比される.両層には400万年程度の年代差が存在することから,両者の関係は不整合と考えられる.
著者関連情報
© 日本地質学会
前の記事 次の記事
feedback
Top