日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
症例報告
NilvadipineとPPARγアゴニストの併用により認知機能や脳血流量が改善した早期アルツハイマー病の1例
佐藤 友彦羽生 春夫赤井 知高高崎 朗櫻井 博文岩本 俊彦
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2008 年 45 巻 4 号 p. 428-433

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抄録
症例は76歳の男性で,高血圧と糖尿病を合併した早期アルツハイマー病(AD)である.前医で投薬されていた降圧薬(Ca拮抗薬のnifedipineとβ遮断薬のbetaxolol)をCa拮抗薬のnilvadipineとアンギオテンシンII受容体拮抗薬であるtelmisartanに変更し,さらにインスリン抵抗性改善薬のpioglitazoneを併用した.約6カ月後には,verbal fluency(1分間の動物名や野菜名の想起)やfrontal assessment batteryで改善がみられ,脳血流SPECTでも前頭葉や側頭頭頂葉で血流の改善が認められた.本症例は,脳移行性の高いnilvadipineとペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)γ作用を有するpioglitazoneやtelmisartanの併用が認知機能や脳血流の改善に有効であったと考えられ,これら治療薬のADに対する効果について考察を加えた.
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© 2008 一般社団法人 日本老年医学会
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